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パーキンソン病はこわくない

若年性パーキンソン病に罹患した筆者が綴る悲喜交々

NST(名古屋記念病院栄養支援チーム)HPより 

【2013.4.16栄養学習会】
<http://www20.atpages.jp/hospynst/?p=1217>


2013.04.16栄養学習会(パーキンソン病・パーキンソニズム)
by take-yu on 4月 16th, 2013
パーキンソン症候群

黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として(1)安静時振戦、(2)筋強剛(筋固縮)、(3)無動・寡動、(4)姿勢反射障害を特徴とする。このほか(5)同時に二つの動作をする能力の低下、(6)自由にリズムを作る能力の低下を加えると、ほとんどの運動症状を説明することができる。このほかにも、仮面顔貌、小刻み歩行、前傾姿勢など特徴的な臨床症状を伴う。原因は不明。

有病率は日本では人口10万人あたり100~150人と推定され、欧米では150~200人とされる。発症年齢は50~65歳に多く高齢になるほど発病率が増加する。日本人は推定10万人以上の患者が存在する。40歳以下で発症するものは若年性パーキンソン病と呼ばれる。

パーキンソン病で障害される中脳黒質のドパミン細胞内には、Lewy小体と呼ばれる細胞内封入体が蓄積する。その主たる構成要素であるα-シヌクレインは140アミノ酸からなるタンパク質で、細胞内の物質輸送に関係している。α-シヌクレインの構造が変化して細胞膜を障害する、ミトコンドリアに変化を起こす、小胞体の機能障害を起こす、細胞内のユビキチン-プロテオソーム系を障害して不要なタンパク質の分解を阻止するなど、パーキンソン病の病因としていくつかの仮説が提唱されている。また、それぞれの過程に家族性パーキソニズムの原因となる遺伝子異常が関与することや、環境因子が影響することも明らかとなっている。

簡単に言うと、中脳の黒質といわれる部分が何らかの原因で細胞の減少が起こっている事が確認されています。黒質の神経細胞は、大脳基底核と呼ばれる場所へ接続していますが、神経同士の連絡のやり取りにドパミンが使われています。細胞の減少が起こっている事によってドパミンが十分な量が作られなくなると、神経同士の連絡に不具合を生じる事でパーキンソン症状を起こすと考えられています。正常のドパミン量の20%を下回ると発病すると考えられており、別の神経伝達物質とのバランスが崩れる事も症状の理由とされています

パーキンソン病の症状の2つ以上の症状を備えた場合をパーキンソン症候群(パーキンソニズム)といい、大きく分類すると変性性と症候性に分けられる。(1)薬剤性パーキンソニズム、(2)脳血管性パーキンソニズム、(3)進行性核上性麻痺、(4)多系統萎縮症のパーキンソン型、(5)大脳皮質基底核変性症、(6)特発性正常圧水頭症などが含まれる。

パーキンソニズムの原因疾患

Ⅰ変性性パーキンソニズム(中枢神経変性疾患)

1.パーキンソン病(PD)=特発性パーキンソニズム

孤発性パーキンソン病: 近縁疾患:痴呆を伴うパーキンソン病、レビー小体型痴呆(DLB)

家族性パーキンソニズム: 常染色体劣性遺伝性家族性パーキンソニズム

常染色体優性遺伝性家族性パーキンソニズム

2.線条体黒質変性症(SND)  現在は多系統萎縮症(MSA)の一病型(MSA-P)に分類

3.進行性核上性麻痺(PSP)

4.大脳皮質基底核変性症(CBD)

5.本能性(老人性)振戦

6.パーキンソン痴呆複合(グアム島、紀伊半島のPDC)

Ⅱ症候性(二次性)パーキンソニズム

1. 薬物性パーキソニズム

2.  脳血管性偽パーキンソニズム

3.  脳炎後パーキンソニズム

4.  マンガン中毒後遺症

5.  一酸化炭素中毒後遺症

6.  脳外傷後パーキソンニズム(ボクサー痴呆・パーキンソニズム症候群など)

7. その他

パーキンソン症状を呈するパーキンソン病以外の疾患を除外することが必要となる。頭部MRIなどで明らかな脳萎縮が有無、パーキンソン症候群を呈する薬剤の服用の有無を確認し鑑別ができないときはパーキンソン病治療薬のLドパが有効であるかで判断をする。

症状

・ 安静時震戦(ふるえ resting tremor)
指にみられることが多いが、上肢全体や下肢、顎などにもみられる。安静にしているときにふるえが起こることが本症の特徴である。精神的な緊張で増強する。動かそうとすると、少なくとも一瞬は止まる。書字困難もみられる。指先のふるえは親指が他の指に対してリズミカルに動くのが特徴的であり、薬を包んだ紙を丸める動作に似ていることからpill rolling signとも呼ばれる。

・ 筋強剛(筋固縮) (rigidity)
力を抜いた状態で関節を他動させた際に抵抗がみられる現象。強剛(固縮)には一定の抵抗が持続する鉛管様強剛(鉛管様固縮、lead pipe rigidity)と抵抗が断続する歯車様強剛(歯車様固縮、cogwheel rigidity)があるが、本疾患では歯車様強剛が特徴的に現れ、とくに手関節(手首)で認めやすい。純粋なパーキンソン病では錐体路障害がないことが特徴である。すなわち四肢の麻痺やバビンスキー反射などは認められないのが普通である。パーキンソン病をはじめパーキンソン症候群に特徴的な、いわゆる仮面様顔貌(目を大きく見開きまばたきが少ない、上唇が突き出ている、これらの表情に変化が乏しい)は、顔面筋の筋強剛によるものとされる。

・ 無動、寡動(akinesia, bradykinesia)
動作の開始が困難となる。また動作が全体にゆっくりとして、小さくなる。仮面様顔貌(瞬目(まばたき)が少なく大きく見開いた眼や、表情に乏しい顔貌)、すくみ足(歩行開始時に第一歩を踏み出せない)、小刻み歩行、前傾姿勢、小字症、小声症などが特徴的である。ただし床に目印となる線などを引き、それを目標にして歩かせたり、障害物をまたがせたりすると、普通に大またで歩くことが可能である(kinésie paradoxale、逆説性歩行、矛盾性運動)。

・ 姿勢保持反射障害(postural instability)
バランスを崩しそうになったときに倒れないようにするための反射が弱くなる。加速歩行など。進行すると起き上がることもできなくなる。

非運動症状

自律神経症状として便秘、垂涎などの消化器症状、起立性低血圧、食後性低血圧、発汗過多、あぶら顔、排尿障害、勃起不全などがある。

精神症状としては、感情鈍麻 (apathy)、快感喪失 (anhedonia)、不安、うつ症状、精神症候(特に幻視)、認知障害を合併する場合が多い。感情鈍麻はパーキンソン病のうつ症状に合併することが多いが、単独でも現れる。うつ症状はパーキンソン病の精神症候の中で最も頻度の高い症候とされてきたが、実際の頻度については定説がない。最も用いられている数値は約40%である。幻視も頻度の高い精神症候である。この症候は抗パーキンソン薬による副作用と考えられてきたが、近年ではそれだけでなく、内因性・外因性の様々な要素によって引き起こされるとする考え方が有力になっている。以前は特殊な例を除き認知障害は合併しないといわれていたが、近年では後述のように認知障害を伴うパーキンソン病の例が多いとみなされるようになっている。

無動のため言動が鈍くなるため、一見して認知症またはその他の精神疾患のようにみえることもあるが、実際に認知症やうつ病を合併する疾患もあるため鑑別を要する。

また、病的賭博、性欲亢進、強迫的買い物、強迫的過食、反復常同行動、薬剤の強迫的使用などのいわゆる衝動制御障害がパーキンソン病やむずむず脚症候群に合併することが知られるようになっている。
パーキンソン病の診断基準

(1)自覚症状

A:安静時のふるえ(四肢または顎にめだつ)

B:動作がのろく拙劣

C:歩行がのろく拙劣

(2)神経所見

A:毎秒4~6回の安静時振戦

B:無動・寡動:

a: 仮面様顔貌

b: 低く単調な話し方

c: 動作の緩徐・拙劣

d: 姿勢変換の拙劣

C:歯車現象を伴う筋固縮

D:姿勢・歩行障害:前傾姿勢

a: 歩行時に手の振りが欠如

b: 突進現象

c: 小刻み歩行

d: 立ち直り反射障害

(3)臨床検査所見

A:一般検査に特異的な異常はない

B:脳画像(CT、MRI)に明らかな異常はない

(4)鑑別診断

A:脳血管障害のもの

B:薬物性のもの

C:その他の脳変性疾患

診断の判定 (次の1~5のすべてを満たすものをパーキンソン病と診断する)

1. 経過は進行性である。

2. 自覚症状で、上記のいずれか一つ以上がみられる。

3. 神経所見で、上記のいずれか一つ以上がみられる。

4. 抗パーキンソン病薬による治療で、自覚症状・神経所見に明らかな改善がみられる。

5. 鑑別診断で上記のいずれでもない。

参考事項

(診断上次の事項が参考になる)

1. パーキンソン病では神経症状に左右差を認めることが多い。

2. 深部反射の著しい亢進、バビンスキー徴候陽性、初期から高度の痴呆、急激な発症はパーキンソン病らしくない所見である。

3. 脳画像所見で、著明な脳室拡大、著明な大脳萎縮、著明な脳幹萎縮、広範な白質病変などはパーキンソン病に否定的な所見である。
パーキンソン病の重症度分類
ヤールの重症度分類・・・治療方針を立てるとき、公費負担の申請をするときに必要な分類です。
ヤールの分類で3度以上になると、医療費の補助が受けられます。

1度: 症状が片方の手足のみの状態で日常生活への影響はまだ極めて軽微。

2度: 症状が両方の手足にみられるが、まだ障害は軽く、日常生活は多少の不自由はあっても従来通り可能であり、歩行障害はないかあっても軽微である。

3度: 症状が両方の手足にみられ、典型的な前屈姿勢、小刻み歩行がみられる。日常生活は自立しているが、職種の変更などかなりの制約をうけている。

4度: 両方の手足に強い症状があり、歩行は自力では不可能であるが、支えてもらえば可能である。日常生活でもかなりの介助を要する。

5度: ベッドまたは車椅子の生活で、ほとんど寝たきり。全面的介助を要する。

治療

薬物療法

早期

・パーキンソン病治療の基本薬はL-ドパとドパミンアゴニスト。

・L-ドパによる運動合併症が起こりやすい若年者は、ドパミンアゴニストで治療開始する。

・高齢者および認知症を合併している患者は、ドパミンアゴニストによって幻覚・妄想が誘発されやすく、運動合併症の発現は若年者ほど多くないのでL-ドパで治療開始して良い。

・75歳以上であれば高齢者としてL-ドパによる治療を行い、70~75歳は生活年齢で判断する。

・麦角系ドパミンアゴニストは心臓弁膜症、間質性肺炎など重篤な副作用を起こすため、新たに投与を開始する場合は非麦角系を選択する。

・改善が不充分と判断するためには、副作用がない限りドパミンアゴニストは許可されている最高維持量まで、L-ドパは600mg(DCI併用)まで使用する。

進行期

・L-ドパの効果が短くなって、次の服薬の前に薬効が切れるwearing-off現象が出現する。

・OFFを回避するためにL-ドパを過剰に服薬すると、ドパミン受容体が過剰に刺激されてジスキネジアが出現する。

・ジスキネジアが無ければMAO-B阻害薬のセレギリンを追加する。

・ジスキネジアのあるときはL-ドパの1回量を減らして服薬回数を増やし、まだ使用していなければドパミンアゴニストを追加する。

・ジスキネジアに対してはアマンタジンが有効なことがある。

パーキンソン病治療薬

ドパミン作用を高める薬剤

・脳にドパミンを補う薬剤

L-ドパ(ドパ脱炭酸酵素でドパミンに変換される)

L-ドパのみの製剤 (ドパール、ドパストンなど)

L-ドパにドパ脱炭酸酵素阻害薬を配合した薬剤 (メネシット、ネオドパストン、マドパー、ECドパール)

・脳のドパミンの利用を高める薬剤 (モノアミン酸化酵素Bを阻害、ドパミンの代謝を阻害する)

セレギリン(エフピー錠)

・L-ドパの利用を高める薬剤 (カテコール-O-メチル転移酵素阻害、血液中のL-ドパ濃度を長く保つ)

エンタカポン(国内未発売)

・脳のドパミン遊離促進薬(またはグルタミン酸受容体阻害薬)

アマンタジン(シンメトレル)

ドパミン受容体を直接刺激する薬剤(ドパミンアゴニスト)

・麦角系

ブロモクリプチン(パーロデル)

ペルゴリド(ペルマックス)

カベルゴリン(カバサール)

・非麦角系

タリペキソール(ドミン)

プラミペキソール(ビ・シフロール)

ロピニール(国内未発売)

・抗コリン薬(脳のアセチルコリン作用を阻害する薬剤)

トリヘキシフェニジール(アーテン)

その他

・ノルアドレナリンを補充する薬剤

ドロキシドパ(ノルエピネフリンの前駆物質、ドパ脱炭酸酵素でノルアドレナリンに変換される)

(ドプス)

外科療法

・視床VL,Vim核、淡蒼球内節、背側視床後部、不確帯尾側部、視床下核に電極を埋め込む深部脳刺激術 (Deep brain stimulation therapy, DBS) を行う。

・外科療法の適応となるのは、L-ドーパによる治療効果があり、治療が十分に行われたがADLに障害をきたしている場合である。

・認知障害、著しい精神症状がある場合、重篤な全身疾患がある場合には適応除外となる。

参考文献:厚生省特定疾患・神経変性疾患調査研究班

パーキンソン病と関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)の療養手引き

厚生労働科学研究費補助金難治疾患克服研究事業 神経変性疾患に関する調査研究班


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