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パーキンソン病はこわくない

若年性パーキンソン病に罹患した筆者が綴る悲喜交々

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(日経メディカルオンライン 2013.3.4掲載)


早期パーキンソン病にも神経刺激療法は有効
レボドパ関連運動合併症の発現から3年以内の患者を対象としたRCTで確認

進行したパーキンソン病患者の治療に用いられている視床下核への神経刺激療法(脳深部刺激療法)が、より早期のパーキンソン病患者のQOLを改善することが、ランダム化比較試験(RCT)で示された。フランスのパリ第6大学のW.M.Michael Schuepbach氏らの研究グループによるもので、論文は、NEJM誌2013年2月14日号に掲載された。

 パーキンソン病患者は、治療開始後しばらくの間は薬物療法に良好な反応を示し、安定した効果を得ることができる。しかしその後、薬物への反応は安定しなくなり、レボドパ誘発性運動合併症が発生するようになり、QOLも徐々に低下する。薬物療法では管理できない運動症状の変動やジスキネジアなどのレボドパ誘発性運動障害には視床下核への電気刺激が有効だ。また、神経刺激療法は、運動症状に加えて患者のQOLを改善することも知られている。ただし、この治療は通常、発症から11~13年経過し、QOL低下が著しい患者を対象として実施されている。

 著者らは、神経刺激療法が早期のパーキンソン病患者にも有効ではないかと考え、これを検証するため、早期患者を対象とした2年間の多施設RCTを、ドイツの9つの大学病院とフランスの8つの大学病院で実施した。

 対象は18~60歳のパーキンソン病患者で、発症から4年以上経過し、Hoehn-Yahrの重症度分類(ステージ0~5に分類、高スコアほど重症)でステージ3以下、パーキンソン病統一スケール(UPDRS)パートIIIで評価した運動症状がドパミン作動薬で50%以上改善し、運動症状の変動やジスキネジアといった運動合併症が現れてから3年以下とした。患者登録は、06年7月から09年11月まで行った。

 患者251人(平均年齢52歳)を登録。登録患者のパーキンソン病歴の平均は7.5年で、レボドパ誘発性の症状変動が始まってから平均1.7年、ジスキネジアが現れてから平均1.5年だった。

 これらの患者を、薬物療法と神経刺激療法の併用(神経刺激群、124人、実際に埋め込み術を受けて試験を完了したのは120人)、または薬物療法のみ(薬物療法群127人、試験完了は123人)に無作為に割り付けた。神経刺激群の患者には、割り付けから6週以内に手術を行い、両側視床下核に微小電極を、前胸部にパルス発生器を埋め込んだ。

 主要転帰評価指標は、ベースラインから2年後までのQOLの変化とし、パーキンソン病質問票(PDQ-39)のサマリー指数(スコアの範囲は0~100で、高スコアほど機能は不良)を用いて比較した。2次評価指標は、パーキンソン運動障害、日常生活動作(ADL)、レボドパ誘発性運動合併症とし、それぞれUPDRSを用いて評価した。また、1日のうち、身体の可動性が良くジスキネジアを認めない時間の長さも比較した。

 2年後のQOL(PDQ-39のサマリー指数)は、神経刺激群で7.8ポイント改善、薬物療法群で0.2ポイント悪化した。2年間の両群の平均変化の差は8.0ポイント(95%信頼区間4.2-11.9、P=0.002)だった。PDQ-39を構成する個々の要素のスコアの2年間の変化も、コミュニケーション以外の全てにおいて神経刺激群で有意に良好だった。

 さらに、神経刺激療法は以下の点で薬物療法群に優っていた。運動障害(オフ時の評価で平均変化差は16.4ポイント、13.7-19.1、P<0.001。オン時の評価で平均変化差は4.5、2.7-6.4、P<0.001)、日常生活動作(平均変化差は6.2、4.5-8.0、P<0.001)、レボドパ誘発性運動合併症(平均変化差は4.1、3.2-4.9、P<0.001)、1日のうち身体可動性がよくジスキネジアを認めない時間の長さ(平均変化差は1.9時間、0.4-3.4、P=0.01)。

 重篤な有害事象は、神経刺激群68人(54.8%)、薬物療法群56人(44.1%)に少なくとも1件発生した。重篤な有害事象の報告件数はそれぞれ123件、128件だった。埋め込み術または神経刺激デバイスに関連する重篤な有害事象は、神経刺激群の22人(17.7%)に少なくとも1件生じ、報告件数の合計は26件だった。

 投与された薬剤の用量は両群ともに変化しており、レボドパ等価換算1日用量は、神経刺激群で39%減少、薬物療法群で21%増加していた。両群間の差は609mg(P<0.001)となっていた。

 レボドパ誘発性運動合併症発現から3年以下のパーキンソン病患者においても、薬物療法に神経刺激療法を併用した方が、患者のQOLなどの改善効果が大きいことが示された。


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